基本情報 2024/05/08
みなさんはコーヒー党?それとも紅茶党?
こんにちは、ときどき紅茶党になるABBYです。
スリランカへ来たら紅茶党の方はもちろん、コーヒー党の方も「やっぱ本場は違うわー」と、どこかで聞いたようなセリフをつい言ってしまう。これ、スリランカあるある。
今回は奥深いセイロンティーの世界をざっくりポイントだけご紹介します。年をとるとたくさん覚えられないですからね...
これを読めば今日からあなたも紅茶党(のフリができます)!
「日本茶」も「ウーロン茶」も「紅茶」も実は原料となるお茶の木は同じ。
違いは発酵時間にあります。
摘み取った茶葉をどのくらい発酵させるかによって、水色(すいしょく)や香り、味わいが異なってくるのです。
出典:www.weeteacompany.com
不完全発酵 → 日本茶
半発酵 → ウーロン茶
完全発酵 → 紅茶
紅茶は完全発酵させることで、独特の水色と香り、渋みが生まれます。
世界3大紅茶とは、アッサム(インド)、ウバ(スリランカ)、キーマン(中国)、この3つの産地で収穫された紅茶を指します。
*銘柄ではなく産地
お茶の栽培には熱帯(亜熱帯)気候が適していて、通称「ティーベルト」と呼ばれるエリアには世界の紅茶名産地の多くが属しています。
出典:http://japan-tea-trading.co.jp/
また高品質の紅茶を生み出すには、昼夜の寒暖差が激しく霧の発生しやすい環境も重要。
この霧が紅茶独特の味わいと香りを引き出すのです。
紅茶生産量ランキング
1位 インド(120万t)
2位 ケニア(43万t)
3位 スリランカ(34万t)
*中国は生産量192万tですが、その大半は緑茶で紅茶の生産量は減少傾向
*ケニアは2000年代に入ってスリランカを抜いた紅茶生産の新興国
紅茶輸出量ランキング
1位 ケニア
2位 スリランカ
3位 インド
*出典:「World tea production and trade Current and future development 2015」international tea committee
インドやケニアの国土や人口を考慮すると
スリランカにとっていかに紅茶が巨大産業なのかがわかりますね。
今でこそ世界的に有名なスリランカの紅茶ですが、1840年代、当時スリランカを植民地としていたオランダが始めたのはコーヒーの栽培でした。
出典:http://mysrilankaholidays.com/
しかし、イギリス統治に変わったのち、1860年代にジャワ島からやってきたサビ病によりコーヒー農園は壊滅的な被害を受けます。
*サビ病とは、葉を赤(錆色)に変色させ幹までも枯らせてしまう病気
この状況を目の当たりにしたひとりのスコットランド出身の青年が、当時スリランカでは難しいとされていた紅茶栽培に取り組み、奇跡的に2年足らずで根付かせることに成功します。
彼こそがのちに「紅茶の父」「セイロンティーの神様」と呼ばれるジェームス・テイラー(James Taylor)。
出典:www.pressandjournal.co.uk
テイラーは交配により病気に強い品種をつくり出し、瀕死のコーヒー農園を茶園として蘇らせ、スリランカに紅茶という新しい産業をもたらしました。
出典:www.ceylonblacktea.com
テイラーは生涯独身だったため、彼は紅茶と結婚した、といわれるほど最期までスリランカの地で紅茶の普及に努めたそうです。
スリランカの紅茶が世界的に注目されるきっかけは、1891年のロンドン紅茶競売でのこと。
スコットランド出身のトーマス・リプトン (Thomas Lipton)が所有する、ウバ地区のリプトン農園の紅茶が史上最高値をつけました。
出典:www.ruyc.uk
リプトンといえばみなさんも一度は飲んだことがあるはず。今やコンビニでもおなじみの世界的な紅茶ブランドです。
リプトンは、生産物は生産者から直接仕入れることをモットーに成功を収めてきた商人で、「Direct from the Tea Garden to the Tea Pot」(茶園から直接ティーポットへ)というキャッチコピーを世界へ向けて発信。
出典:www.tching.com
リプトンはそれまで量り売りだった紅茶を袋詰めにしたり、ティーバッグの販売にも力を入れたりと、一般消費者にも受け入れられやすいかたちを提案して紅茶の普及に貢献しました。
近年、「セイロンファイブカインズ (Ceylon Five Kinds) 」と呼ばれるセイロンティー5大産地が見直され、新たに、ウダプセワラと、サバラガムワを加えた7つの産地に分類されるようになりました。
出典:http://mysrilankaholidays.com/
紅茶は産地の標高や気候によって、水色や香り、味わいが変わってきます。
一般的に、標高が上がるにつれて薄い水色になり、香り高くブラックティー向けになると言われています。
1200〜1800m:ウバ、ヌワラエリヤ、ウダプセワラ
600〜1200m:ディンブラ、キャンディ
0〜 600m:ルフナ、サバラガムワ
スリランカには政府が組織する紅茶局(Sri Lanka Tea Board)という紅茶専門の機関があり、セイロンティーの生産量や品質などの管理をしています。
また、スリランカティーボードの基準である
・100%国内でパッキング
・100%スリランカ産の紅茶
を満たす紅茶には「ライオンロゴ」が発行され、パッケージなどに印刷されています。
出典:Sri Lanka Tea Board Official Web Site
お土産を買うときはぜひチェックしてみてくださいね。